●空は泣いている
春だというのに
低くどんよりとした雲が上空を覆う
轟き渡る雷鳴
吹きつける風
斜めに降る雨
それらが全て矢となって
我の心に突き刺さる
嗚呼 何という神の悪戯よ
我の愛は微塵にも砕け散る
途方に迷えど為す術はなく
我の魂は涙に濡れる
空よ
そんなに泣くでない
辛くなるではないか
愛する女性(ひと)に彼が居て
何に怯えているのか
お前は何度も同じ経験をしたではないか
また同じ失敗を繰り返すのか
否 これだけは違う
慣れというものはこの世に存在しない
何時も新鮮なのだ
“やまない雨はない” と誰かが言っていた
しかし
我の心の空は泣いている